今更ながら愛媛を想う
昨年1年間で、今まで愛媛に暮らしてきた数十年より
愛媛を知ることができたのではないかと思う。
娘のえひめ子ども観光大使に同行することとなり、
愛媛の北から南まで各地を周った。
砥部焼き手捻り体験・四国中央市紙漉き体験と三島高校書道部との交流会・
小池流絵手紙体験・宇和島市真珠アクセサリー体験・愛南町カツオたたき体験・
坊ちゃん劇場役者体験・今治市タオルづくり体験など。
体験してみると、実は手軽に愛媛の伝統を学べることが分かった。
砥部焼き陶芸創作館では、陶芸を土から体験するのは、自身がないという人でも
一から教えてもらうことができる。気軽に体験したい人は、様々な素焼きを購入して
絵付けだけすることもできる。
四国中央市紙のまち資料館では、紙漉き体験ができる。紙を漉き、落ち葉などで
装飾したものを乾燥させ、絵葉書などを作ることができる。
基本料金200円と作る作品で葉書だと追加10円前後あれば体験できる。
小池流絵手紙体験では、みなさんも一度は見たことがあるのではないだろうか、
野菜や果物を墨で描き一筆を添えたものだが、愛媛が発祥だとは知らなかった。
コツは、筆を垂直に立てて筆の一番後ろの部分をつまむようにして穂先だけで描く。
そうすると、うまく書こうとしても描けず、味のある作品になるのだという。
宇和島市真珠のアクセサリー体験では、いけすのいかだの上で、真珠貝から
真珠を取り出すところから体験することができる。自分で出した真珠は、その貝に
よって、純白のものや乳白色のもの、黒いものまで出してみるまで色は分からない。
自分で玉だしした真珠をアクセサリーにでき、世界で唯一のものを作ることができる。
アクセサリー体験だけでなく、自然も豊かで船上からエイやタツノオトシゴを
みることができた。真珠体験だけでなく、宿泊施設も兼ねている。
愛南町カツオのたたきづくり体験では、カツオをさばき、わら焼きをして
試食させてもらった。高知県だけでなく、愛南町もカツオが有名で、
カツオの祭りもあるそうだ。場所が遠かったため、前乗りで1泊することにしたのだが、
創業大正元年という山代屋旅館は、四国八十八カ所第四十番札所目前ということもあって
お遍路さんの方もよく利用する旅館で、とても風情があった。魚料理が絶品で、
当日は、鯛のあら煮とエビのマヨネーズ焼きのコースを食したのだが、大食漢の私でも
食べきれないほどだ。
坊っちゃん劇場での、役者の方とのふれあい体験については、正直愛媛県内の劇場
ということもあって、実は少し期待が薄かった。しかし、実際、演目の「お遍路さんどうぞ」を観て、驚いた。役者の人たちの歌唱力と演技力、どちらも迫力があり最後まで
見入ってしまった。四国に住んでいても、お遍路さんがどういうものなのか、漠然としか知らなかったのだが、劇中で詳しく描かれており、とても勉強になった。
今治市では、今治工業高校の生徒さん達の協力で、自分がデザインした絵を
タオルとして織り込む体験をすることができた。初めて知ったのだが、タオルソムリエと
いうものが存在するらしい。その資格を持つ生徒さんの指導の下、パイルを織り込む機械
やタオルができるまでの過程を学ぶことができた。ハンカチなどに手描きのデザインを
簡単に描く方法として教えてもらったのが、市販の「ぺんてる布描きくれよん」だ。
生地に自由に絵を描き、アイロンを当てるだけで布が染まる優れもので、描いたまま
のデザインに仕上がる。
1年を通して、各地を周ってみて、自分が外に発信できるほど愛媛を知らないということが分かった。何でもそうだが、きちんと学べば奥は深い。
調べれば、きっと、もっと知らない愛媛に出会えるだろう。